SUUNTO STINGERの電池交換を自分でやる

ダイビングをする方であれば、おそらく多くの方がお持ちであろう器材の一つがダイビングコンピュータです。見た目は普通の腕時計だったりするのですが、単なるダイバーズウォッチとは異なり、ダイビングの潜水時間はもちろん水温や水深などを管理し、減圧症と呼ばれるダイビングによる人体へのダメージを回避するための重要なツールです。

ひさびさの海

SUUNTO STINGER

中でもSUUNTOのSTINGERは、映画「海猿」で主人公の仙崎が身につけていたため、一躍有名になったモデルです。当時は弁当箱のようなダイビングコンピュータが多く、STINGERはその中でも数少ない「普段使いできるダイビンコンピュータ」として珍しかった記憶があります。いまでも使っている方はたくさんいるかと思います。

私がこのSTINGERを購入したのは、おそらく2007年くらいです。当時としてもかなり高機能なダイビングコンピューターで、価格も7万とかしたはずです。かなり奮発して購入した記憶があります。

ダイビングコンピューターのメンテナンス

海に潜るにあたって、器材のメンテナンスは非常に重要です。海の中での器材の故障は命の危険に直結しており、ちょっとしたトラブルでもパニックに陥ったりする可能性もあります。ダイビングコンピューターも例外ではありません。メンテナンスは主に電池交換になるかと思います。

SUUNTO STINGER の電池交換

最近のダイビングコンピューターは自分で電池交換ができるものが多いですが、このSUUNTO の STINGER については電池交換のための専用治具が用意されています。その専用治具はフィンランドからお取り寄せする必要があります。以前は、日本の代理店でも取り扱っていたのですが、数年前から取り扱いをやめてしまったようです。

ですので、STINGERの電池交換は、一般的には対応している業者に頼むしかありません。それだと数週間も預ける必要があったり、送料などを考えるとけっこうな出費になったりします。

私はこれまで普通の時計用電池交換治具を「無理やり」使っていたのですが、爪の数が圧倒的に少ないですし、とても使いにくい。。。しかも、いざ久しぶりに引っ張り出してみるとその部品が紛失してしまっていました。

右側の爪がなくなってる・・・

せっかくなので自分で作る

CADで設計

しょうがない、、、ということで、3Dプリンタで治具を自分で製作しました。枠を回転させるための治具と、そのときに時計を持ちやすくするための台座のあわせてふたつです。

FreeCAD

最初に製作したものがこちら。STINGERの各寸法を図り、CADに入力していきます。枠の取っ掛かりが全部で18箇所あります。コンマ数ミリの突起を、円周上に等間隔で配置します。

台座はとりあえず手持ち前提で設計しました。

3Dプリンタで出力

まずはPLA樹脂で出力してみました。なかなか良い感じです。しかし、何回かやっているとトラブルが発生しました。

  • 取っ手が折れる
  • 突起がなめてしまう
  • 固着したものを回そうとすると、力が逃げてしまう

やはり、素材がプラスチック(PLA)では柔らかいので、もっと工夫が必要なようです。

課題

課題としてはこんなところです。

  1. 取っ手をできるだけ太くする(折れにくくする)
  2. 突起部の素材変更が必要(舐めないようにする)
  3. 全体的にたわみにくくする(力が逃げにくくする)

改善版

上記を踏まえて改善版を製作しました。いくつかのバージョンを試して、最終的なものがこちらです。

まず、写真では分かりづらいですが、厚みを1mm増やして6mmにしました。また、円周内部を貫通させずに、1mm厚で蓋をするような形状に変更しました。このおかげで強度が大幅に向上しました。

また、両手ハンドルにすることで、回すときに均等に力がかかるようにしました。固く固着した部品を回すときも、力が逃げずにしっかりと回せるようになっています。

突起部にはM3のナットを6箇所に埋め込みました。そのおかげで舐めることもなくなりました。台座も木材などにネジ止めできるように穴を設けています。

なお、上蓋は反時計回りに回すことで開くことができます。

いざ分解

分解が終わった状態がこちら。

時計本体につながっているフレキを切断しないようにだけ気をつけてください。マチ針やピンセットがあれば分解しやすいですが、なくても大丈夫です。

交換用の電池はCR2430です。

普通にアマゾンさんなんかでも購入できますが、今回はメルカリで購入。

電池を嵌めて、上から不思議な形状の金属パーツをかぶせます。

なんでこんな形をしているんだろう?

用途がわからないですが、もともとプラスチックのようなペラが一枚挟まっていたので、元通りに挟み込みます。

無事に表示が復活しました。ガラスは置いていますが、枠は嵌めていません。初期表示は1/1(土)ですね。2005年あたりの設定でしょうか?

Oリングのグリスアップにはこちらを使いました。20gの小さいやつですが、こんなに使いません。

ふたたび治具を嵌めて、クルクルと締め込んでしまえば完成です。

まとめ

作業自体はすごくカンタンに終わりました。以前持っていた治具よりも、今回自分で製作した治具の方が確実に取っ掛かりをつかんで回しやすかったです。

ダイビングコンピューターは、減圧症を防ぐためにも大事な器材の一つです。いざ使おうというときに電池切れを起こさないように、こまめに電池交換をしましょう。

追記 ※SPIDERでの注意事項

この治具はSPIDERでは少しキツめの設計になっています。寸法がきっちりですので、最初はテーブルなどに押し当てながら強めに押し込む必要があります。ご注意ください。(キツめにしないと、固着している場合などに滑って回せないケースが増えてしまうので)

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